岡山のことなど・・・その一-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

岡山のことなど・・・その一

2018.04.19

 年度末の二日間を使って岡山に戻ってきました。第一の目的は代理での確定申告をお願いしている馴染みの税理士さんの事務所を訪ね諸費用をお支払いすること、第二の目的は昼間に家の片付けをして夜には廃棄するものを庭で燃やすことです。だいたい月に一度のペースで、後者の目的で岡山に戻っているのですが、少しずつ古い家の中がスッキリしていくのを見るのはなかなかいいものです。親父と叔母が相次いでこの世を去ってからの数年間は、それこそ毎晩のように焼却炉に遺品を放り込む日が続いたのですが、僕が死ぬときには娘どもにそのような無駄な労働は期待できないために今のうちに自分で処分しておこうと考えてのことです。

 朝から片付けばかりをしていると疲れるので、昼前にちょっと近所を散歩してみることにしました。二分ほど歩くと、僕が子どもの頃からずっとある町内の遊園地に着いてしまいます。懐かしい場所ではあるのですが、これまでわざわざ入ってみる機会はありませんでした。見ると東京で開花宣言がなされたばかりだというのに、桜が満開です。

 その満開の桜の下には何やら風変わりな石塔が建っていますが、これはこの遊園地に大昔からある謎の塔で、僕が物心ついたときには既にこの場所にあって近所のガキどもと戦争ごっこなどをやるときには大将が陣取る司令部になっていました。むろん、この石塔が何故に昔からここにあるのかは大人を含めて誰も知らなかったし、この年になるまで僕もまったく知りませんでした。そもそも、今日ここにたまたま散歩に来るまでその存在すら忘れていたくらいです。

 ふと、石塔の左側に何やら解説を記した掲示板があることに気づいた僕は、それを読んでびっくり。

 なんと、この石塔は真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争開戦の翌年にここに設置された「ラジオ塔」で、ラジオ放送の番組が周囲に向けて流されていたというのです。戦後にテレビ放送が始まった頃にあったという「街頭テレビ」のラジオ版というわけ。いやー、こんな歴史の証人がすぐ近所にあった、いや、あり続けたというのは実に感慨深いですね。しかも、子どもの頃の僕や近所のガキどもはそんなすごいものだとはつゆ知らず、下から見上げたこのラジオ塔の石造りの屋根の上に小石を投げ上げて遊んだりもしていたのです。

 タイムスリップしたような散歩から戻ったところで、二階に上がって片付けを再開しようとしたとき、階段の上がりぶちにガレージに貼ってあるような洒落の交通標識やナンバープレートが貼られているのに気がつきました。正面上方にはスイスのジュネーブに住んでいたときの車のナンバープレート、その右にある「ROYAL AF」というのは英国王立空軍の車両に着けられるナンバープレート、「NYPD」はニューヨーク市警のナンバープレートを模したお土産品でニューヨークで買ってきました。また、「Jesus Saves」というのも同じくアメリカ土産のようですが、これは十年ほど前に合気道部の女子大生がグアム旅行に行ったときのお土産。

 右側にあるのは、アメリカ大陸横断道路「ルート66」を走ったときにガソリンスタンドなどで買ったお土産のナンバープレートが三枚と、一番下のはこれまた前方注意というドイツの道路標識をお土産にしたものです。また、右側にあるのは「ミニのみ駐車可・・・他の車は縮んでしまう」という洒落の駐車場標識です。

 そして、左側に見えるのが「宇宙人横断中」という洒落の交通標識が二枚と、アメリカ空軍が秘密裏に宇宙人のUFOを研究している「エリア51」のお土産用のナンバープレート、そしてバカでかいダースベイダーの顔はアメリカで初めてエリア51の探検に行った帰りにサンフランシスコの下町で買った逸品で、映画スターウォーズの名場面のコマばかりを縦横に並べて見事にダースベイダーの顔を浮き彫りにしたポスターです。

 その左下には、何やら黒いタコの頭のような図柄が見えていますが、これについてはいずれまた「岡山のことなど・・・その二」でご紹介するつもりです。お楽しみに!

 

 保江邦夫

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