洒落に住む-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

洒落に住む

2018.03.19

 ミニメッセージが面白いので毎回楽しく読んでいるという方から、「岡山から東京、ミニ・クーパーの旅」の回の最初にチラッと出ていた岡山の僕の家のガレージの上のほうに何やら風変わりな飾りがあったと指摘されました。彼はよく気の利く人物なので、さすがは細かいところまでご覧になっているものだと感心してしまいましたが、実は外国で洒落で作られていた実際にはあり得ない交通標識を集めるのがマイブームだったことがあったのです。集めたヘンな交通標識やナンバープレートはガレージの正面の梁の部分に取り付けておいたのですが、それがミニ・クーパーの写真に写り込んでいたわけです。

 実際にはあり得ない「火星まで35,000,000マイル」という距離表式は火星の方向を示す矢印が空の上を向いているのがオチです。有名なアインシュタインの公式を道路の名前にした「E=mc二乗通り」や「前方ミサイル交差」などという道路標識なども洒落で作られたのでしょう。ただし、タクシー専用駐車場のサインは本物が売りに出ていたものです。

 また、9.11の世界貿易センタービルの破壊現場「GROUND ZERO」の標識はニューヨークで買ってきたもので、これもある意味で本物です。また、ガレージの左側の梁にある緑色の「VISITOR-30MIN」のプレートも本物で、訪問客の30分以内限定駐車エリア」を示す米軍基地のプレートが売りに出ていたものです。「ルート66」の道路標識は実際にアリゾナやネバダで昔テレビドラマのタイトルにもなったルート66という有名なアメリカ大陸横断道道路のガソリンスタンドで観光客用に売られていたお土産です。これはお持ちの方も少なくないかもしれません。

 同じく「AREA 51」の警告看板は、実際にアメリカ空軍のUFO研究秘密基地「エリア51」の近くのレイチェルという集落にあるバーで土産物として売られていた、秘密基地立ち入り禁止の看板のイミテーションです。エリア51には都合4回も探検に行きましたが、その都度危険を伴う異常な体験をしました。これについては、いずれまたどこかで皆さんにお伝えしようと考えています。

 さて、その一番左側にある「PEDONI A DESTRA」という標識ですが、人が歩いている姿と矢印があることからもおわかりでしょうが、イタリア語で「歩行者は右側」という本物のイタリアの道路標識です。これは買ったものではありません。昔、風変わりな出来事があって手に入れたものです。学会でイタリアのミラノに行ったとき、泊まったホテルの部屋の窓に夜中に何かがぶつかった音がして目が覚めました。確か3階の部屋だったのですが、カーテンを開けてみると何やら大きな金属板が窓の外に引っかかっていました。すぐに窓を開けて金属板を部屋に入れ、少し埃がついていたのでシャワーできれいに洗ってみたところ、どうも歩道に掲げられていた道路標識が突風で舞い上がってしまったもののようでした。

 本来ならば警察かホテルのフロントに届けるのが筋なのでしょうが、そこは泥棒天国のイタリアのこと、僕はこれを貴重なお土産にすることにしたのです。大きさもちょうど、手持ちのスーツケースにピッタリと収まり、誰にもとがめられずにイタリアを離れることができました。これこそ僕が最初に手に入れた交通標識で、実を言えばこのイタリアの本物の道路標識を手に入れてしまったことから、道路標識を集めるというマイブームが始まってしまったのです。

 ですから、僕にとっては記念すべき一枚ということになります。

 ガレージの右面には、やはり米軍基地の「エンジニアリング部門」専用を示す本物の駐車場指示掲示があり、「EXIT」はこれも米軍基地の建物の中にある出口を緊急時に示す電光標識です。それ以外の「前方戦車交差」とか「前方潜水艦交差」の道路標識はもちろん洒落で売られていたものです。

 ガレージのすぐ外を見ると、まず米軍横田基地のデッドストックとして売られていた巨大なシールで、「ガスマスク装着」の警告を意味するものが貼られています。その下のシールはカリフォルニア州サンタクルス近郊にある「ミステリースポット」という超常現象が日常的に起きる不思議な森を訪ねたときのお土産に買ってきていたものです。

 そして、ガレージから少し離れたところに置いてあるアメリカ海兵隊の攻撃機A4スカイホークの脇には「前方アメリカ海兵隊A4スカイホーク交差」という洒落の道路標識を買ってきて貼ってあります。アホなこだわりと思われてしまいますが・・・。いえいえ、アホなこだわりはこれだけではありません。スカイホークの一年後にまたまた苦労してイギリスから輸入した垂直離着陸攻撃機AV88ハリアーの横には、これまた「AV88ハリアーのみ駐機可」という洒落の駐車場標識を手に入れて掲げる始末。ちなみにその右にあってハリアーの胴体に半分隠れている警告標識は、これまた米軍横田基地に掲げられていた本物で、米軍払い下げ品を取り扱う業者の方から買ったものです。

 それだけでは、ありません。ガレージの向かい側にある自転車置き場には「宇宙人のみ駐車可・それ以外の者はUFOに遭遇」というこれまたふざけた駐車指示警告版を貼っておきました。ちなみにその横にあるのは屋外用のスピーカーで、赤外線の動体探知器と連動して庭に誰かが侵入したとたんに英語で「Freeze!」という警告を発声するようになっていました。ところが庭に侵入した近所のネコにまで反応して真夜中に大声で「Freeze!」という叫び声が出てしまうことが度々あったため、近所からの苦情で今は電源を落としてあります。

 残念・・・。

 保江邦夫

 

お問合わせはお気軽に
お問い合わせ
KUNIO YASUE All Rights Reseved 2017.Designed by R-design