岡山から東京、ミニ・クーパーの旅-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

岡山から東京、ミニ・クーパーの旅

2018.02.27

   少しだけ遡りますが、以前お伝えした昨年の11月に岡山で衝動買いしてしまった赤のミニ・クーパーが今年の2月2日に納車の運びと なりました。その昔モンテカルロ・ラリーで優勝したドライバーのクーパーさんにちなんだ名前を引き立てるために、そのときと同じ四連フォグランプを装備してもらった精悍なフロントグリルが光っています。

 翌2月3日の節分の日には、岡山から東京までこのミニ・クーパーを運ぶために朝の9時に岡山を出発し、一路東京を目指す666キロメートルの旅に出ました。全行程の平均速度は毎時80キロ程度になるだろうと予測すると、全走行時間は8時間程度、それに食事やトイレのための休憩時間が全部で2時間くらいだと見積もっても10時間の長丁場です。それを一人で行くのは退屈だろうからということで、二歳上の従兄弟が同行してくれることになりました。交代で運転すれば疲れないだろうからということで、僕は従兄弟の温情をありがたく頂戴することにしたのです。

 実はこの二つ年上の従兄弟は兄弟のいなかった僕にとって、子どもの頃からずっと、怖いけれども頼れる兄貴的な存在でした。おまけに彼は大学生の頃から少林寺拳法部の暴れん坊で腕っ節もめっぽう強い上に、僕と違って強面なので、皆が避けて歩き、面倒事に巻き込まれる心配もありません。それだけでも旅の相棒としては申し分ないのですが、従兄弟はその上に大の車好きで大学のときには夏休みに当時のあこがれの名車日産ブルーバードを一人で運転して岡山から北海道までの往復を走破したほどです。しかも、当時まだそれほど整備されていなかった高速道路はまったく使わずにですから、その根性も見上げたもの、ますます頼れる男なのです。

 そんなわけですから、岡山を出るときこそ僕が運転していたのですが、最初の1時間を走ったあたりで交代してからは、最終目的地である東京都心まで従兄弟がずっと運転してしまいました。おかげで僕は助手席でのんびりさせてもらえ、道中まったく疲れませんでした。

 こうして朝の9時に岡山を出発したミニ・クーパーは、思いの外早く夕方の6時には目的地である白金の自宅近くの駐車場にたどり着いたのです。以前にお伝えした、幸運に恵まれてお借りできることになった大きなオフィスビルの地下駐車場に初めてミニ・クーパーを駐めたときには、従兄弟と僕は大きく息を吐き、「楽勝だったな!」と笑いあいました。

 従兄弟も長時間運転して愛着が湧いたのか、駐車場に置いてその場を離れるときには右のヘッドライトの上あたりを手で触りながら「ようがんばったのう」と岡山弁でミニ・クーパーの奮闘を讃えていました。なにせ666キロメートルを9時間で楽々走破してくれたのですから。

 2日間だけ東京に滞在してから新幹線で一人岡山に戻る日の昼に、従兄弟の希望もあって僕も行ったことのなかった東京スカイツリーに上ってみることにしました。人混みを覚悟していたところ、その日が平日だったためか上のほうの展望台までまったく並ばずに上ることができました。従兄弟も初めて上ったとのことで、晴れ渡った関東平野を一望しながら満足げな表情だったのが、弟分の僕にはかなりうれしかったな。

 僕はといえば、彼方の富士山を眺めようとする従兄弟を尻目に展望台を半周したところでスカイツリーそのものが作る影が下の町並みに落ちているのを見つけ、「あの影の写真を撮って地図と比較すれば、今日この時間の太陽の仰角を天文年表から割り出せばスカイツリーの高さを計算できる」と自慢げに従兄弟にレクチャーする始末。それに対して、従兄弟は笑いながら入場券といっしょにもらっていたパンフレットを差し出し、「スカイツリーの高さならここに書いてある」と一刀両断の一言。

 やはりこの従兄弟にはかなわんのう(岡山弁です)。

保江 邦夫

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