クリントイーストウッド監督のハリウッド映画は特に最近とてもよい作品が続いているため、品川にある珍しく空いた映画館に通う機会が増えてきました。全部で10室以上の放映室があるため、同時上映は他の洋画や日本映画、さらにはアニメなど多種多様です。そんな放映室をつなぐ長く複雑な廊下の一角に見つけたのは、たまたま上映中の人気アニメの映画版「シティーハンター」の宣伝用パネルでした。
僕自身は「シティーハンター」はあまり見てこなかったため、主人公の愛車が赤く塗られた古いミニクーパーだとは知りませんでした。それが、このパネルのおかげでわかってしまったのです。となると、気分は俄然シティーハンター・・・。ということで、映画館を離れて歩くこと20分と少しで明治通りの南麻布側にある地下駐車場に到着。既にシティーハンターになりきった僕は、愛車の真っ赤なミニクーパーのエンジンを始動。
で、今回の依頼人は?
残念ながら、そこまではストーリーの再現は難しいですね・・・。ということで、ともかく動かしたミニクーパーのエンジンの調子を見るために夜の首都高都心環状線を走ってみることにしました。まあ、気分だけでもシティーハンターということなら、銀座から東京駅八重洲口側の首都高を走るのがいちばんでしょう。
ところが、高揚した気分に任せて衝動的にミニクーパーを引っ張り出したため、出かける準備が足りず、気がつくと尿意をもよおしてしまっていました。これは、やばい! と思ったとき、まさに、捨てる神あれば拾う神あり。桜の名所で知られる千鳥ヶ淵を過ぎて代々木に回ったあたりで高速道路のサービスエリアに出くわしました。
これ幸いと、サービスエリアの駐車場に愛車を止めた僕は、目の前にある夜に輝いていたコンクリートの城へと突入しました。
そこは、2階建てのシンデレラ城のように光輝き、白色の個人タクシーや黒色のジャパンタクシーなどが出入りしています。一番明るい場所には電気自動車用の急速充電設備もあります。駐車場が狭いわりには、サービスエリアとしての設備は決してお粗末ではないようでした。
自動ドアになっている入り口の脇には飲み物だけでなくアイスクリームやたこ焼きなど、冷たい食べ物と熱い食べ物の自動販売機が並んでいます。その入り口にはトイレが二階にあることを示す表示に加え、二階にはカフェや食堂もあることが示されていました。
エントランスに入ってみれば、どうもこの代々木サービスエリアの名物は「森のクマさんのはちみつソフトクリーム」だという大きな看板に迎えられます。そして、そこにも「トイレは二階」というサインがあるところを見ると、このエントランスにあわてて入ってくるのは僕だけではないようですね。
エントランスホールの右側を見れば、そこには2機もの新しいエレベーターがあり、階段を上らずに2階のトイレにいけそうでした。これにも、大いに助けられました。
ということで、目指すは2階のトイレ!
エレベーターを2階で降りてみれば・・・、廊下にはこんな写真付きのメニューが貼られていました。このサービスエリアには「よよぎの森」というレストランがあるようで、どの料理もなかなか美味しそうです。残念ながら夜遅い時間は営業していないようですが、朝は11時まで和風の朝食を出してもらえるようです。
そしてトイレに向かって廊下を歩いてみると、その手前には確かに代々木の森を見下ろすことができそうなカフェタイプのカウンター椅子やテーブルが整然と並べられています。
うーむ、ここならいつものように若くて美人の依頼人と会うには絶好の場所ですねー。
トイレに行くのも忘れるほど再びシティーハンターになりきってしまった保江邦夫