三島探訪-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

三島探訪

2019.08.29

 ひょんなことから東海道新幹線のこだまを三島駅で下車することになった日のこと、愛知県のベンチャー企業の社長さん一行が車で迎えにきて下さることになり、その到着を待つ間、1時間ほどの空き時間が発生しました。ということで、その少し前に大阪に活動拠点を置いている若者グループの皆さんからその存在について教えてもらっていた、三島の旧市街にある木花咲耶姫を奉った古い神社と瀬織津姫を奉ったひっそりとした神社を見つけようと思った僕は、JR三島駅から海の方向へと旧市街をブラブラと歩いてみることにしたのです。
 駅前から続く古い飲み屋街が終わるあたりに、神社に特有の鎮守の森的な林を見つけた僕は、ここではないかとアタリをつけて林の中に入っていきました。案の定、そこには古い神社があるにはあったのですが、神社の名前にも、御祭神の御名前の中にも木花咲耶姫も瀬織津姫も出てはいませんでした。

 ただ、雰囲気というか、気配というか、ここが木花咲耶姫を奉った古い神社に違いないという根拠のない確信が湧いてきます。

 そこでそれほど広いわけではない境内をうろうろと歩き回ってみたところ・・・、端のほうに石碑を見つけました。そこに刻まれている文字を読んでみたところ、ビックリ! 何故なら、「この花のさくや三島に春来る」と彫られていたのですから!!

 そう、富士山に御縁のある木花咲耶姫を奉った神社ですよという隠された事実をほのめかすのに、これ以上の歌が考えられるでしょうか。まさに見事な神の采配です。
 気をよくした僕がその石碑の右を眺めてみると・・・、今後は何やら皇太子殿下が御生まれになったことを記念する石碑までもがあるではありませんか!

 何やら皇室との強い霊的な繋がりをも示唆するかのような石碑があるということは、やはりこの古い神社には何か隠されたお役目があったに違いありません。
 とはいえ、あまり時間が残っていなかった僕は、今度は瀬織津姫を奉った神社を探すために水辺へと向かいます。瀬織津姫というからには、必ずや小川か湖沼の近くに奉られているはずなのですから。

 三島旧市街を流れている川に向かって歩いていくと、まさに川辺に「白瀧観音堂」と呼ばれる小さなお堂があり、その昔にはここに水しぶきを上げる瀧があったとか。

 ただし、観音堂というからには観音様をお奉りしている御堂であって、瀬織津姫とは無縁のようです。とはいえ、少し離れたところから振り返ってみれば・・・、なるほど、なかなかの景勝地になっていました。この小川の水も富士山の伏流水が集まったもののようですから、ひょっとするとこの流れの先に瀬織津姫を奉る水辺の神社があるのかもしれません。

 ところが、そんな淡い期待をも神様は決して裏切りはなさいませんでした。本当に驚きでしたが、そのまま5分ほど歩いたところに静かで小さな池の水面に美しい御社を見つけた瞬間、ここが瀬織津姫の神社だと確信したのです。

 池の中の島に建立された御社に橋を渡って近づいてみれば、御祭神は瀬織津姫と明記されていて、直感が正しかったことが証明されたのです。そう、1時間だけ空いた待ち時間を使って、見事に木花咲耶姫の神社と瀬織津姫の神社を見つけることができたのですから。まさに神の導きがあっての快挙だったのではないでしょうか。
 と、ここで社長さんから電話が入り、あと5分で集合場所に到着とのこと。ということで、三島名物の鰻料理を食べに行くことになったのですが、三島駅で配られていた市内中心部のお食事処案内図を見ると20軒近くの鰻屋さんがあるではありませんか。店の選択を任されてしまった僕は、生来の鼻の利きだけを使ってかなり離れたところにある鰻屋を指定してしまいました。ところが、やはり僕の鼻は絶対に外さないようで、午後2時頃だというのにお店は満席。待ち行列用の名前を書く書類にもかなりの氏名が記されていました。お店の係の方の話では20分程度は待たなくてはならないとのこと。
 ふと見ると、お店の横にとても美しい清流があったので、そこで水遊びをしながら順番待ちをすることにしました。

 ここもまた、富士山の伏流水が流れているとのことで、本当にきれいで冷たい水でした。ベンチャー企業の社長さんといっしょに来た女性が清流に手を入れて勢いよく水をはねたとき、まるで青龍のような姿が浮かび上がってきました! 密教寺院での護摩炊きに赤龍や金龍が炎の中に現れる霊的な現象にも似ていたため、一同全員の気分が盛り上がってタイミングでお店の係の方から名前が呼ばれました。

 さあ、三島名物の鰻に舌鼓!
 僕が注文したのは1匹半の鰻を使った鰻重! すごいボリュームです! なにせ、ご飯がまったく見えません。ちょっと見には、鰻のタレ焼きを注文したのかとも思えるかのようです。

 しかも、箸袋に印刷されていた「創業安政三年」というのにも、大いにビックリ。もちろん、味のほうは美味美味美味、最高に美味でした!
 で、ベンチャー企業の社長さんはというと・・・、そう、鰻2匹を使った巨大鰻丼!

 えっ、しかしこれでは鰻は1匹半しか見えませんね。そう、実は残り半匹の鰻は小さく刻まれて丼の底にご飯にまみれて置かれていたのです!!
 これがまた、非常に美味で、しかもボリューム超万点!!!
 大満足で鰻屋さんを出て駐車場へと歩こうとしたとき、お隣にも昭和一桁の頃から開業しているケーキ屋さんがあることに気づきました。

 むろん、甘いものは別腹というわけで、このケーキ屋さんの2階がサロンドゥテになっていたので、アイスティーと莓のタルトを注文。これまた、美味美味美味!!!
 さらに気分よくなった一行が歩いていくと、ノスタルジックな駅にこれまたノスタルジックな電車が止まっていて、踏切の遮断機が下りていました。いやー、食べ物だけでなく三島の街もなかなかいい味を出していますね。

 と、再び気分よく歩き始めたところに見つけてしまったものは・・・。そう、おそらく三島でしか存在しない(かもしれない)コッペパンレストラン!!

 コッペパンにジャムやバターだけでなく、様々な具材をこれでもかと挟み込んでくれるコッペパンサンド専門店でした!

三島に脱帽した保江邦夫

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