横浜港の休日-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

横浜港の休日

2019.01.11

 先日の月曜日のこと、横浜は桜木町にある中医学の学校での講義に行きました。美人の校長先生に頼まれると断れない僕はもうかれこれ18ヶ月も通っているのですが、そのほとんどの回はレンガ造りの「横浜開港記念館」の中の講義室で行われてきました。レトロな雰囲気の美しい建物は、訪れる度に僕を魅了してやみません。

 ところが、実は「横浜開港記念館」まではしょっちゅう来たことがあっても肝心の「横浜港」自体にはこれまで一度も行ったことがありませんでした。何故なら、「横浜開港記念館」は最寄り駅から地上に出るとすぐ目の前にあり、横浜港のほうに寄り道したくてもできない相談だったわけです。

 その日は講義の前に近くで昼食を取ることにして昼過ぎに日本大通り駅に到着し、いつものように「横浜開港記念館」が見える交差点にある地上出口まで上がってきました。

 歩道に掲げられていた案内板を見ると、10分も歩けば横浜港のベイエリアに到着できそうです。天下の横浜ベイエリアであれば、それこそ洒落たカフェが目白押しのはず! そうにらんだ僕は潮のにおいを頼りに初めての横浜港探検に乗り出しました。すると、どうでしょう。確かに10分ほどで前方に大きな港が開け、大桟橋には超弩級の豪華客船が停泊しているではありませんか!

 左側の客船だって豪華なはずなのに、それこそ芥子粒のように見えてしまうほど、右側の客船は威容を誇っています。こんな絵は横浜港でしか目にすることはできない! そう直感した僕は、暢気にお昼ご飯を食べている場合ではないと悟り、さらに10分以上も早足で歩いて中央埠頭まで行ってみたのです。

 近くで見たら、いや、見上げたらその大きさに圧倒されてしまうのですが、これが大英帝国の誇る最新型豪華客船「ダイアモンドプリンセス号」そのものだったのです。いやー、就航したときのニュースで知ってはいたのですが、その超弩級と謳われる船体がこれほどまでにどでかかったのかと、大いに唸ってしまいました。

 錨を降ろした先端の向こうには「横浜ベイブリッジ」がその美しい姿を見せていて、なかなか絵になる光景です。

 とはいえ、船の先端部だけ見ていてはこの「ダイアモンドプリンセス号」の巨体を想像することもできません。そこで、以下の3枚の写真をパノラマ的につないでいただくことで、その圧倒的な大きさに思いを馳せていただくことにします。

 まずは、これが船体後部です。

 次に、これが船体中央部です。

 そして、最後に船体前部がこれです。

 如何でしょうか? 手前の埠頭の木製デッキの上を歩く人々の大きさから「ダイアモンドプリンセス号」が如何に超弩級の豪華客船であるかがおわかりだと思います。

 中央埠頭の木製デッキの先端にまで歩いて行くと、「ダイアモンドプリンセス号」の巨体の後部の向こうにも「横浜ベイブリッジ」を見渡すことができます。この「ダイアモンドプリンセス号」はこの7時間後には横浜港中央埠頭を離れて航海目的地のイギリスへと旅立っていったのですが、そのときにはあの「横浜ベイブリッジ」の下を優雅に進んでいったことでしょう。

 そして、中央埠頭の先端で反対側を振り返ってみれば、そこにはそれ自体大きく美しいはずの日本が誇る豪華客船「飛鳥Ⅱ」が投錨していました。そう、最初に遠くから二隻の客船を見つけたうちの小さいほうの船です。

 中央埠頭にこの「飛鳥Ⅱ」のみが停泊しているときであれば、日本が誇る大型豪華客船ということで、じゅうぶん感動できたのでしょう。ところが、この日は運が悪いことにお隣に最新型で超弩級の豪華客船「ダイアモンドプリンス号」が同時に停泊していたため、影が薄くなってしまいました。

 まあ、しかたありませんね。

 よく見ると「飛鳥Ⅱ」を岸壁に結びつけている太いロープの上のほうに、愛嬌たっぷりにネコの姿が描かれた丸いネズミ返しを見つけました。これはアニメ大国ニッポンの真骨頂!

 中央埠頭の木製デッキの上を戻っていくと、足下にこんなマークが描かれているのを発見しました。

 見れば、カメラの絵も描かれていて「OSANBASHI VIEW POINT」とあるではありませんか。なるほど、この中央埠頭は「大桟橋」と呼ばれていて、その木製デッキの上でもこの場所が特に写真を撮るのに絶好の場所のようです。わざわざ男女の絵があるのは、この「大埠頭」がデートスポットになっているからに違いありません。

 ならばきっとロマンチックな風景が見られるのかと思って覗いてみると・・・、ちょうど船員さん達が「飛鳥Ⅱ」に食料を積み込んでいるところでした。「ダイアモンドプリンセス号」では既に積み込みも終了していたようで、このような作業光景は見ることができませんでしたが、「飛鳥Ⅱ」の出港前のこんな珍しい場面を見ることができたのはラッキーでした。海外旅行といえばジェット旅客機ということで、飛行場で旅客機に荷物や食料を積み込む作業風景はよく目にしてきていたのですが、飛行機よりもはるかに大人数の乗客を長期間運ぶということになれば、確かに消費する食料の多さも半端ではないということを目の当たりにできたからです。

 食料を運び込んでいる船員さん達を眺めているうちに、自分のお腹にも何か食料を入れ込んでおかないと午後の講義でお腹が鳴ってしまうことに気づきました。ふと見れば、この「大桟橋」のも木製デッキの上にテラス風の小さなカフェがあり、如何にもアメリカンな軽食を出してくれるようです。「ダイアモンドプリンセス号」の美しい船体を眺めながらいただくイギリス名物「フィッシュアンドチップス」は、これから帰航することになるであろうブリストル港の匂いを充分に堪能させてくれました。

 この日はこれから講義があったのですが、「大桟橋」と「ダイアモンドプリンセス号」のおかげで僕にとってはここしばらく忙しかった日常から少しだけ離れることができた、つかの間の休日となった気がします。

 女王陛下の007ならぬ女王陛下の保江邦夫

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