岡山のことなどその3-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

岡山のことなどその3

2018.06.22

 姪を連れてギザの大ピラミッドに入ったときのエジプト旅行で手に入れたマリア様の絵が岡山の自宅の階段の壁に飾られていることを、『岡山のことなど・・・その二』でご紹介しました。そのマリア様の絵の向かいには、階段の二階部分にある手すりの下の壁に掲げた十字架があります。

 このシンプルな木製の十字架は、岡山にある「禁酒会館」の1階部分が店舗になっているキリスト教関係の書店で手に入れたものです。その禁酒会館というのは、キリスト教の関係者が戦後に禁酒を普及する目的で作った当時はモダンな洋館造りの木造建築で、今でも現役で使われています。その「禁酒会館」を描いたスケッチも1階に飾られています。木造三階建ての1階部分の左側の入り口の上に大きな十字架があり、その左側は「聖書」右側には「Books」と記されていました。

 それでは、小さくて奇妙な美術館気取りの岡山の家にある絵やスケッチなどはこれだけかというと、いえいえ。そこは「乗り物好き」の僕のこと、実は1階部分には車と飛行機の絵とスケッチが所狭しと飾られています。

 まずは玄関を入ったところに飾られているのは、ヨーロッパの古い街並みに駐められたクラシックカーが描かれた線描の水彩画で、合気道部の卒業生が描いてプレゼントしてくれたものです。

 この絵のタッチが醸し出す雰囲気にゾッコンになってしまった僕は、その卒業生に無理を言ってもう一枚同様の絵を描いてもらったのですが、それが届いたときには正直驚いてしまいました。何故ならモチーフについては僕からは何も注文は出していなかったのですが、そこに描かれていたのはやはりヨーロッパの狭い旧市街のど真ん中に置かれたミニクーパーだったからです。いったいその卒業生は僕が密かにミニクーパーのファンだということを、どうやって知ったのでしょうか。あるいは、まったくの偶然のなせる業だったのでしょうか。

 おまけに、その狭い旧市街の奥には教会の建物の上に十字架までもが描かれているではありませんか! 僕の好みを知り尽くしたかのように、素晴らしい絵を描いてくれたこの合気道部の卒業生には、もう完全に脱帽です。

 玄関にはその横に高校の同級生の北村好孝君が描いてくれたジュネーブ時代の僕の愛車「Lancia Fulvia Coupe」のスケッチが飾られています。ちょうどドイツのアウトバーンを疾走しているときに、額の裏にまだ見たこともなかった方程式が「見えて」しまったという、不思議な神秘体験をした瞬間を車外から描いてくれたのです。

 車の前方左側から見たものだけでなく、前方右側から見下ろしたスケッチも飾られているのですが、そちらには運転席にいるはずの僕の姿がはっきりとは映ってはいません。あえて僕の姿をボンヤリとした雰囲気にしたのは、そのときの僕の魂がこの宇宙の真理が隠されている世界をさまよっていたという事実を描きたかったそうです。これまた、お見事!

 玄関から上がった廊下には、その北村君が描いてくれた別のスケッチがあります。大西洋単独横断飛行を成功させたスピリットオブセントルイス号とパリのエッフェル塔を描いてくれた、これまた僕のお気に入りです。

 その廊下の奥にある僕の寝室には、液晶テレビを置いたくり抜き棚の周囲の壁に大きな油絵が二枚飾ってあります。左側のロココ調の額に入ったものはやはり北村君が描いてくれた、ジュネーブで僕が住んでいたシャレーの二屋根裏部屋から見下ろした雨の日のモレゾン通りの景色です。ここにも路上駐車の形で当時の小粋な車が何台も描かれています。

 その右隣に飾られてあるのは、何と第二次世界大戦のときのイギリス上空での戦闘機の闘いをリアルに描いた有名な油絵で、イギリス空軍の主力戦闘機であるスピットファイヤーとドイツ空軍が誇る名機メッサーシュミットの一騎打ちの場面がまるで写真のように活き活きと描かれています。しかも、その絵の下には描かれているすべての戦闘機に実際に乗り込んでいた当時のパイロットの直筆サインがあるのです。こんな珍しい価値の高い油絵が何故に僕の家にあるのかというと、実は徳島の戦闘機マニアでスポーツカーマニアでもある精神科の医師が期限なしで貸して下さったからなのです。

 彼が持っているアメリカ海軍の戦闘攻撃機A4スカイホークの実物を拝見しにうかがったとき、お土産代わりに永久貸与して下さったのです。

 いやー、上には上がいるものですね。

 

 保江邦夫、完全に脱帽

 

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