夏の神旅3-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

夏の神旅3

2019.12.01

 いつもの小さなフレンチの店で直会をすませた僕は、夕方の6時頃に御所の北にある天皇家ゆかりのお寺に急ぎました。

 このお寺には陰陽道の最高神である北辰鎮宅霊符神を奉るため、平安時代に陰陽師安倍晴明が時の円融天皇の命によって付託開眼させた金剛像が密かに安置されている霊廟があります。そして、その日は鎮宅霊符神への献茶式があるために、いつもは閉められている霊廟が珍しく開けられる日なのです。

 さっそくに霊廟へ向かうと、初めて拝見する鎮宅霊符神を護る狛犬の台座にも陰陽師の五芒星が刻まれています。

 むろん、右側だけでなく左側の狛犬の台座にも五芒星が刻まれていますね。

 五芒星が刻まれているのは左右一対の狛犬の台座だけではありません。ご覧のように水鉢の石瓶にも見事な五芒星が描かれています。陰陽道の最高神の霊廟なのですから、当然といえば当然なのでしょうが。

 そして、いよいよ霊廟の中に入ってみると・・・。

 じゃーん、祭壇の中央に鎮座ましますのが、北辰鎮宅霊符神が安倍晴明によって開眼された金剛像です! 祭壇の左端を見ると・・・

 陰陽道のシンボルとして五芒星以上に重要な北斗七星が輝いていたのです! 陰陽師の末裔の一人としては、マストな燭台です!!

 献茶式に参加するため、霊廟を後にし、本堂に移動します。

 本堂の天井にはこれまた見事な黒龍の図が描かれていて、まさに天之叢雲サムハラ龍王が降臨してきたかのようです。

 そして、本堂の右手にはラマ教秘伝の砂で描かれた曼荼羅が奉納されています!

 七色の細かい砂を指で摘んで落とすだけで描かれた微細な曼荼羅を眺めているだけで、この宇宙の背後にある陰陽の調和を悟ることができそうです。

 しかし、天皇家につながるお寺というものは、やはり素晴らしいものですね。

 無事に献茶式も終了したタイミングでほとんどの参加者はお寺の外に向かい、その勢いでご近所にある下鴨神社南の橋まで歩いていきます。しばらくすると大文字山の送り火に点火され、5年ぶりに見る大文字送りに自分自身の周りを過ぎ去った激動の月日を思い起こしながらしばし感慨にふけりました・・・。

 そういえば、5年前の今日この同じ場所で明治維新以来途絶えていた白川家の祝之神事を皇室にお戻しする繋がりを頂戴できたのですから、思えば本当に「激動の」としか表現できない5年間だったわけです。

 ちょうど貼られていた御所の昔の内裏図を拝見してみると、確かに白川家屋敷の隣には「学問所」として「祝部殿」があったとわかります。温故知新ではありませんが、急に白川家の伯家神道に思いを馳せた刹那、そういえば密かに伯家神道の奥義をつないでいた白山神社に一度も参拝していなかったことに気づいてしまいました。

 思い立ったが吉日、翌日は京都から愛車を飛ばして北陸道で金沢を目指します。白山登山などは夢のまた夢という情けない僕のために建立された訳ではないでしょうが、山頂の岩座をそのまま移設した「白山奥宮」がありがたいことに駐車場から歩いてすぐのところにありました。

 すこぶる清明な空気に包まれ、まるで白山の頂上から白川郷を見下ろしているかのような気持ちになれた僕は、周囲に他の参拝客がいなかったのをいいことに伯家神道の拍手をひととおり打たせていただき、先代の巫女様まで連綿と継承されてきた秘儀をお預かりする気持ちを新たにしたのです。

 奥宮からさらに進んでいくと、白山神社の本殿がその清々しい姿を現します。畿内多い出雲造りの社殿に比べると、無駄な飾りを排した質素な建築様式が逆に神聖さをより際立ててくれるかのようでした。

 そんな、本殿でのお詣りが功を奏したのか、せっかく白山神社まで来たのに白山に登らずに帰ったのでは先達に申し訳ない・・・などという思いが沸き立った僕は、取りあえず白山山頂に向けて車で行けるところまで登ってみることにしました。

 で、途中の山道の脇に見つけたのがひっそりとたたずむ「瀬織津姫(せおりつひめ)神社。白山の山頂を向いた立派な石造りの鳥居が初めての白山参拝を歓迎してくれているかのようでした。そこからかなりのワインディングロードを山上に向かって走っていくと、白川郷に抜ける峠のあたりがどうやら車で登っていくことができる限界のようです。

 そこで、冬はスキー場になる辺りの駐車場に車を置いて、自分の足でほんの少しだけ登ってみることに・・・。

 すると、途中にこんな大きな置き石があり、まるで白山の神様が「これ以上は入ってはならぬ」と諭して下さっているように感じてしまいました。ここから先は白山の禁足地に違いないと勝手に思い込むことにした僕は、この置き石の前から白山頂上の岩座に向かって再び伯家神道の拍手を打たせていただき、新しき令和の御代における安寧と平和を祈ったのです・・・。

結局は肝心なところで手を抜いてしまう保江邦夫

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