三都+α物語-星辰館〜保江邦夫オフィシャルサイト

三都+α物語

2019.09.05

 まもなく4年目に突入する横浜の中医学学校「HOLOS」での「宇宙学講座」のために、毎月一回横浜中心部に足を運んでいます。これまでも二度ほどその会場風景や横浜港の雰囲気をご紹介してきましたが、今回は初めての会場だったため最寄りの駅も初めて降りる「馬車道」という名の地下鉄の駅でした。到着したホームからエスカレーターを上っていくときに左右の壁を見ると・・・、なんと文明開化の横浜港に造られた当時の近代的ビルの扉や暖房設備などがまるで芸術作品のように掲示されていました。

 なかなかのデザインに仕上がっていて、ついつい見とれてしまうほどです。

 こんな洒落た駅なら毎日でも通いたくなりますね。

 昔の建築物に使われていた海外の窓枠や棚などは、本当に鑑賞に堪える芸術品ですね。温故知新か・・・、などといささかおセンチになったところで地上に出てみれば、「馬車道」という名の洒落た通りが続いていました。明治2年に開通した東京横浜間の乗合馬車の発着所があったために「馬車道」と呼ばれるようになったとか・・・。しかも、この「馬車道」沿いは昔の洋風建築が美しく保存されているだけでなく、今現在でも使用されているのです。

 今は神奈川県立歴史博物館として利用されている往時を偲ばせる石造りの荘厳な建物は旧横浜正金銀行本店の本館だったものです。

 その他にも、ご覧のように往時の古い石造りのビルだった部分の一部がそのまま正面玄関に利用された近代的ビルも実に美しく輝いています。

 キョロキョロしながら馬車道通りを歩いていくと「神奈川県警察」と記されたパトカーが止まっていたのですが、その下に「息子はサギ!?」という「オレオレ詐欺」への注意喚起の標語が貼られていたのには苦笑い。

 横浜の名所「馬車道」での宇宙学講座を無事に終えた僕は、翌日新幹線のこだまで関西へ移動しました。神戸にある健康道場で「保江邦夫のお笑い真理塾」と題した連続講座を毎月一回持っているからです。講座は夜の7時からなので、午後にはいつも3時間程度の空き時間ができてしまいます。それで、毎回どこか神戸の面白そうな場所を訪ね歩くことにしているのですが、この日は犬も歩けば棒に当たるとばかりに、目的地を特に定めずフラフラしていました。すると、そこに現れたのは・・・。

 ご覧のような「楽車(だんじり)」です。神戸にはたくさんの有名な神社がありますが、特に有名なのは楠木正成公を奉った湊川神社ではないでしょうか。そして、このときはまさに湊川神社のお祭りの日で、各地から楽車が集まってきていました。

 そのまま湊川神社まで楽車の後を歩いていってもよかったのですが、そこはやはり臍曲がりで知られる僕のこと・・・、わざわざJR神戸線の普通電車に乗って垂水駅まで移動しました。その駅のホームから見える古い神社の本殿が前から気になっていたからです。垂水駅を出て神社の側に歩いていってみると、石造りの大きな鳥居があって「海神社」と記されています。

 しかも、鳥居の手前右には「官幣中社海神社」と大きく彫られた古い石柱までもが建てられています。鳥居をくぐって境内に入ってみると・・・。

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 立派な本殿には大きな十六菊花紋が描かれた提灯が左右に飾られていることからも、この神社が「官幣」であったことがわかります。本殿にさらに近づいてみると、飾られている菊花紋の数も半端ではありませんね。

 しかし、JR垂水駅のすぐ傍にある神社がなぜ「海神社」という名前がついているのでしょうか? 疑問を抱いたままで神社を辞そうとして振り返ったとき、ふと鳥居の向こうの遠くの景色が目に止まりました。

 石造りの鳥居の向こうには朱に塗られた木の鳥居があり、その向こうにはフェリーのような中型の船舶が港に横着けされているのが見えるではありませんか!

 そう、このJR垂水駅は瀬戸内海に面する港の鎮守府のすぐ裏にあったのです。それもそのはず、垂水駅から再びJR神戸線に乗って六甲山の麓を目指したときの車窓には、夕方の瀬戸内海が180度にわたって広がっていました。

 神戸の健康道場での講座の翌日午後には、毎回京都の古い公家屋敷で謎の勉強会があります。いわゆる「白足袋さん」とか「八咫烏」と呼ばれている人達が関わってくるのですが、そこで教えていただく内容にはいつも驚いてしまいます。

 この日も期待を膨らませながら京都駅からタクシーを飛ばしていると、10時の方向に「彌榮(やさか)交通」の「四ツ葉のクローバー」マークのタクシーを見つけてしまいました。京都では有名な話ですが、やさか交通のタクシーは普通は「三ツ葉のクローバー」マークを屋根に取り付けてあるのですが、わずかに3台のタクシーにだけ優秀なドライバーの標しとして「四ツ葉のクローバー」マークが取り付けられているのです。

 従って、京都に来てこの「四ツ葉のクローバー」マークのタクシーを目にする確率はほとんどゼロなのですが、この日は初めて実物に出会ってしまいました。これは幸先がよい! きっと今日はいつも以上に驚きの内容が明かされるに違いない!

 僕はルンルン気分で目的地の公家屋敷へと向かいました。そのおかげなのか、到着が早かったため会場の御屋敷には一番乗り。ということで、ちゃっかりと写真を撮っておくことにしました。

 金色の屏風の上に見えるのは「覗き松」で、深い意味があるそうです。この覗き松の横には太い竹が密集する竹林が広がっています。

 廊下の手前にある小部屋を見ると、そこにはまるで昼寝ができるような設えがあるではありませんか!

 これこそが京都の文化、最高の贅沢! そう直感した僕は、誰もいないのをいいことにさっそく昼寝の姿勢を取ってみます。

 そして、ふと目覚めた雰囲気で頭を上げてみると、書院造りの窓から静かな竹林が昼の光に輝いているのが見えます。いやー、京の御公家様の趣味というのは文化的にとても深いものがあると、つくづく実感できました。

 そんな京都の公家文化の洒落心に鍛えられたのでしょうか、御屋敷での勉強会が終わった後に行く東大路の小粋な店でコーヒーをいただいたときにも、ウーンと唸らされてしまいます。

 それが、この金属製の磨き抜かれたコーヒーカップと不思議な反転文字が描かれたお皿の組み合わせ。ご覧下さい、お皿の周囲に反転した上でさらに曲がって描かれていても、コーヒーカップの曲面に反射して見えるのは、まっすぐにまともに筆記体で描かれた「Thank You」の文字!

 お見事ですね!

 三日間で横浜、神戸、京都という日本文化が栄えた三都物語の舞台を駆け抜ける「死のロード」を無事に終えた僕は、今では第三の古里に思えてならない東京の白金に戻り、久し振りに愛車のミニクーパーを駆って虎ノ門のホテルに出版社との打ち合わせに出かけました。地下駐車場に駐めてからふと隣を見ると・・・、明らかに60年代のロールスロイスファントムのハードトップが駐めてありました!

 いやー、これこそが東京の文化!

三都+α物語が好きな保江邦夫

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